スキップしてメイン コンテンツに移動

FMとプレミアの戦術的遅れについて

ライカールトさんがCLで勝てないプレミアのチームについて以下のように書いていた。
「プレミアリーグのチームは良くも悪くも一様であることが多い。彼らが欧州で結果を出したのは、金銭的な成功による選手の質の向上、もともど備わっていた11人による素早いハードワークと攻守の切り替えがサッカーの進化の流れと重なったからである可能性が高い。いわゆる偶然の産物。」
らいかーると「プレミアリーグ以外のチームでの選手のスプリント化がすすみ、もともともっていた戦術の多様性があいまって、走れて戦術的に戦えるチームが出てきている。例えば、アトレチコ・マドリー対バルセロナのように試合中にシステムが変わり、それに対応するみたいな。これが一様な戦術のチームにはなかなか難しい。もちろん、選手を入れかえることで、一様でないようにチームを変化させることはできる。プレミアリーグのチームが欧州で結果を残すためには、アーセナルがときどき自陣に撤退するように相手を観てサッカーができるかどうかにかかっている、、、。、気がする。それでも選手の質は間違いないので、押し通せる気がしないでもないが。」ここより
何度も言うようにFMはイギリス人が作っているので、プレミア的な戦術の遅れがゲームにも見られる。

具体的には、選手の能力値に「戦術理解」みたいな項目がないし、CPU監督の戦術やフォメ選択がすごく適当だったりする。試合中に攻撃時(ボール保持時)と守備時のフォメを変える設定とかもできないし、攻撃のコンビネーションプレイとかも戦術自体として設定がなく、選手のひらめきにまかせている。セットプレイもほうり込み時点の設定しかなく、二手目三手目の設定がない。

なんでこんな文句を言うかというと、欧州では、というかプレミア以外の欧州トップリーグでは守備時にも攻撃時にも細かい戦術を使ってやっているからだ。ここで言う戦術とは「決まり事」のことだと考えるとわかりやすい。見方や敵のある動きに対して一連の動きを次々と行うこと、これが戦術だ。

たとえば、守備のときの決まり事とは、以下の様なものだ。


これを見ると、4-4のラインでの守り方というのが完全に決まっていることがわかる。欧州では、プレミアでもたとえばチェルシーなんかではこういう守備をしている。

これのキモは、アタックする人とほかの人との連動にある。アタックはつねに一人で、カバーするほかの残りはきちんとスライドする。これが4-4の守りの基本となっている。ところが、FMではこういう統率のとれた守備をしない。まあそれでも、Jの守備なんかよりはずっといい守備をFMの選手はするのだが。

もちろん、守備に関してはこれ以外にも様々な方法がある。プレミアではFMみたいな個々人の能力に頼る守り方をするし、レヴァークーゼンではとにかくアタックするという守り方をする。こういうの、FMでも守備の基本姿勢として設定できるといいのにな。

さて、攻撃についても、やはり決まりごとがある。これ、2000年代前半には世界中でまだまだ攻撃は選手のひらめきにまかされていたのだが、現代ではオートマチックな動きで攻めるというのが多くなっている。2002年と2014年のW杯決勝を見比べるとこの変化は一目瞭然だと思う。

2014年W杯でブラジルがドイツに負けたのは、ドイツの組織的な攻撃にひらめきを頼りにするブラジルの攻撃と守備が耐えられなかったからだ。たとえ選手の能力に差があったとしても、あのレベルであんなに大量な失点をするというのは、戦術に根本的な欠陥があったということだ。というより、ブラジル側に戦術の欠如があった、という方が正しい。

これ、Jでもブラジル人監督や選手が結果を残せなくなっていることとも関係するのだが、それについていい記事がBlog版蹴閑ガゼッタにあった。「ブラジル人選手、監督が結果を残せなくなった理由」これだ。ここでは、現代ではオートマチックに高速化された攻撃が標準となってきているのに対し、ブラジルではまだ選手のひらめきまかせのサッカーをしているし、教えている、ということが書かれている。
そこまで高度に戦術化されたサッカーの中では、個人のコンビネーションとかアイデア、判断力といった「自由」が介在する余地は極めて少なく、と言うかむしろ判断が介在すると間に合わないレベルにまでオートマティズムが徹底されていると言って良いでしょう
同じことを日本で行われた川崎VSドルトムントの試合を見ていても思った。ドルトムントの攻撃も守備もオートマチックなのに対し、川崎は守備も攻撃もいちいち考えているようで、しかもその判断がすべてハズレている、という感じだった。時差と移動で疲れているのはシーズン中の川崎かってほど。ドルと川崎では選手の差以上に、やっているサッカーの質の差があった。「サッカー脳が大人と子供ぐらいの差がある」とのBlog版蹴閑ガゼッタさんの言葉は本質をついている。

攻撃や守備に決まりごとがあるかどうか、ボールつなぎや動きで決められた動きをしていればうまくいく、そういうことを練習でやっているかどうか、それが川崎とドルの差であり、ブラジルとドイツの差であり、プレミアとブンデス/セリアとの差である(守備に関してはプレミアもそれほど遅れてないが)。Jは問題外。Jでは組織的な守備を指導する監督は嫌われて解任されるくらいだから、オートマチックな攻撃を教えるような監督は今後も出てこない。

攻撃の戦術はハンドボールやバスケで発達していて、サッカーもそれを取り入れている。例えばこういうの

こういう組織的な動きを全員がイメージして共有する。こういうのを練習に組み込んでいるかどうかが現代的なサッカーかどうかの分岐点なわけだ。

冒頭で選手に「戦術理解」の項目がいると書いたのは、上のようなことを踏まえてのことだった。FMには設定している戦術の熟練度はあるが、それはチームとしてのである。これに対して、選手ごとに戦術に沿った動きをするかしないか、という違いはあってもいい。しかしそれは、守備にも攻撃にも戦術が設定できるということが前提になるが。

とにかく、いまのFMに戦術の多様性がないのは、これを読むだけでも明白だろう。クラシックモードという簡単なモードがあるんだから、普通のモードはもっと複雑な戦術設定ができるようになってもいいのだが…

コメント

このブログの人気の投稿

決定版 戦術について フォーメーション編

FMで取るべき戦術については、相手に合わせて選ぶ、というのが正解だ。今のFMでは3つまでトレーニングできるのだから、3つ違うフォメを作っておいて、相手に合わせて選択する。

もちろん、好きなフォメがあってそれでプレイしたいという人はそうすればいい。ここで紹介するのは単純にこうすれば最も勝率が高くなる方法だ。ちなみに、これはワタシの考えではなく、プレイ経験から絶対的に正しいものと言っていい。

さて、相手にどう合わせるか。

これについては、以前書いた記事をそのまま引用する。

---------------------------------------------------------------------
フォメを選ぶ際には、相手のDCの数DFの数ではない、セントラルDFの数のこと)、FW(前線の数のことではなく、中央のFWのこと)の数を見て、こちらのDCとFWの数を決めなければならない。

まずは、こちらのDCの数を、相手FWの数に合わせて決める。

相手FWが1ならこちらのDC2枚、FW2人ならDC3枚とする。より詳しく言うと、相手FW一人のときは、こちらはDC二人+FB二人を置く。相手FWが二人の場合は、こちらのDC三人にする。

(こんな具合に必ず一人DCを余らせる。赤が自チーム)

DCは相手FWに対して必ず一人余らせる、これがセオリーで、相手FWが一人の時も二人の時もそうなるように配置する。相手FWが一人のときは、DC三枚置いても無駄なので二人でいい。相手FWが二人のときは、DC三枚置かないときちんと守りきれない。それどころか、相手FWが二人でこちらのDCが二人だと、DC二人に常にプレスがかかる状態になるので、最終ラインでのパス回しを奪われてしまう。

相手FWが二枚のときはスリーバック、それ以外はDC二枚のフォーバックとおぼえておいていい。つまり、スリーバックは相手FW二枚という珍しいときのみ使えばよくて、あとはスタンダードなフォーバックでいい。

これでDC、さらにはDFの枚数は決まった。次はFWの枚数を決める。

こちらのFWの数は、相手DCの数に合わせて決める。相手DCが2枚ならこちらのFW2人、敵DC3枚に対しこちらのFW1人となるようにする。

(相手DCが三枚の場合、こちらのFWは一人にする)

つまり、相手がスリーバックのときはFWを1人だけにする。

FM2017ロイヤリティーオファー

今日、Sports Interactiveからこんなメールが来た。FM2017が11月の4日に発売になるらしい。


Steam loyalty offer to owners of previous Football Manager titles View this email in your browser We’re delighted to reveal that Football Manager 2017 will kick-off on Friday, Nov 4th.
All pre-purchases or pre-orders of FM17 from participating digital retailers come with early Beta access which should be available roughly two weeks prior to full release. Participating digital and boxed copies also come with a range of free downloadable content for Football Manager Touch, as well as three brand new challenges to play in "Challenge" mode.

A host of new and updated features will be revealed in the days leading up to the Beta release on our website and our social channels, so follow us now to be kept up-to-date. As a ‘thank-you’ to loyal fans of the series we’ve worked with our friends at Valve to offer a Steam-only* discount of 5% off for every Football Manager game owned on PC, Mac or Linux dating back to Football Manager…

決定版 戦術について 設定編

前回はフォーメーションについて書いたので、今回はチームや選手にできる設定について話したい。

結論から言うと、設定なんて必要ない。いい選手を揃えれば勝てる。

が、そうもいかない場合もある。前回の東アジア杯の日本代表見れば分かるように、選手ごとに極端にできることとできないことが偏っている場合、なんとか機能させるように細かい設定が必要になる。が、その細かい設定についてはあまりにバリエーションがあるのでここで書くようなことではない。

リアルサッカーのチーム戦術について言えば、これは大きく分けて3点ある。1.いつどこでボールを奪うのか、2.どうボールを回すか、3.守備の際のマッチアップをどうするか、この三点だ。3はフォーメーションの項目で話したので、ここで問題になるのは1と2だ。

が、FMはイギリス人が作っているゲームなので、最新のフットボール事情が反映されていない。つまり、1「いつどこでボールを奪うのか」の要素は再現できない。いつの部分、たとえば、ボールを失った5秒間は必死にプレスする、というようなドルトムント的な設定はできない。どこで、の部分も大雑把にしか設定できない。最終ラインのデフェンダーたちにはプレスさせない設定にしておかないと相手をフリーにしまくって失点するので、それだけは設定しないといけない。

より細かく言うと、最低DCには「プレス弱く」にして、DCのどちらかをストッパー、もう片方をカバー役にしておこう。DCの両方がディレイしかしないとボールを奪えないが、両方とも奪いに行くと相手の誰かをフリーにしてしまってやられる。理想はDCの一方がアタック行くとき、片方が敵をフリーにしないようカバーするという関係になるのだが、デフォルトの設定だとこれをしてくれないので、試行錯誤しないといけない。DMCやMCにはプレスさせまくっていい。

2「どうボールを回すか」の要素はある程度再現できる。GKからどうボールを回すのか、サイドから攻めるのか中央から攻めるのか。これもフォーメーションとの組み合わせで好きなようにすればいい。基本的なことはすでにフォーメーションの項目で書いた。

ただ、これも試合状況によって変えると結果がでることもある。中盤でこちらがボール回せない場合はダイレクトパスを多用し、サイドから攻めるのを増やし、さらにFWを攻撃的に設定すればいい。ポゼ率で勝っている場合は普通…