2025年10月22日水曜日

教育の本質。あるいは森保監督の是非について

 日本代表のお話。

念の為、ここまでの日本代表の戦績を見ておきたい。ほんとに見るだけだけど





アジアカップでの二敗を除くと、日本代表はほとんど負けていない。メキシコにも引き分けているし、パラグアイにもビハインドから追いついた。これ、十分評価してもいいと思う。正直、パラグアイとかメキシコのほうが、日本にとってはブラジルよりも難敵だと思う。これに負けなかったというだけでかなりすごい。

今回のブラジル戦は相手はベスメンではなかったが、それは日本も同じだ。しかし、日本は控え組のレベルが高く、勝利できた。これ、地味にすごいことだ。ブラジル相手に選手層で上回っているのだから。

後半、マンマークでハイプレスを仕掛けられたのがこの試合の勝因だった。これは今後の日本の大きな武器になる。

今までのところ、日本代表は順調に進んでいる。監督の問題は実のところ、そこまで大きくない。監督が細かい指示を出さない分、選手たちがちゃんと考えるようになった。これ、正しい方向だと思う。たとえばメキシコはどの年代も試合運びがうまくて、日本は絶対勝てない相手だが、そのうまさが監督のおかげだとは思わない。選手たちの修正能力がずば抜けているのだと思う。日本も監督うんぬんではなくて、そういう選手たちを育てなければならない。

それに、代表監督には細かい戦術を落とし込む時間がない。これ、ジャーナリストたちが裏を取っている話だ。たとえば9月の遠征では、監督がこの代表を呼ぶのを久々だったということを忘れていて、基礎をやることを忘れていた。代表選手は呼ぶたびにリセットされていて、前できていたことができなくなっているので、毎回基礎かやらないといけないらしい。それを9月は忘れていたので、10月のパラグアイ戦の前に基礎練習しかできなくなったらしい。ということはだ、監督はより高度な戦術を落とし込みたがっているのだが、代表の活動期間ではそれはできない、ということなのだろう。

私はそもそも、代表で高度な戦術をやる必要はないと考えている。じつは以前、それをやって失敗した監督がいた。ザックである。あの時、選手を固定して戦術を落とし込んでいたが、その結果選手の入れ替えがなくなり、メンツが劣化して、本番ではぼろ負けした。ああいうのが起きるくらいなら、細かい戦術なんてやる必要はない。というか、ほかの代表みてもそういうのやってない。今回、鈴木淳之介を発見できたのも、細かい戦術の落とし込みをそんなにやっていないおかげと言えなくもない。

ポイチの問題はじつはそこではなくて、以前にも書いたが、0-0で漫然と過ごした試合のHTのときに修正ができないことにある。でもこれ、よく考えてみると、できる監督のほうが少ない。前回W杯で優勝したアルゼンチンでさえ、サウジアラビア戦HTで修正できなかった。ポイチは前半ビハインドのときに修正できてひっくり返せる分、だいたいの監督よりは優れていると言えなくもない。

どちらにせよ、戦術の問題なんて代表レベルでは細かいことで、それよりもちゃんといい選手が出ていて、成長していることのほうが大事だ。今回は守備は新しい選手が多かったのに結果を出した。逆にブラジルは、今回出ていたファブリシオブルーノなんて29歳のブラジルリーグの選手だ。こんな年齢で代表に初めて選ばれるというのもおかしい話だ。少なくても、日本はそこまで選手層が薄くない。

あと、ブラジルは1-7でドイツに負けたときにも思ったが、メンタル的に弱い。逆に日本は前半0-2でもメンタルが崩壊しなかった。逆にブラジルは一点返されただけでパニックになっていた。こういう、相手の弱点を目の当たりにすると、日本のそれはとても小さいものに思えるわけだ。

ブラジル戦後半に戦術を修正するきっかけを作ったのは選手たちだったらしい。これ、日本の選手が順調に成長していることの証拠だと思う。今回負けていてもやはり日本代表はすんごい伸びていると言えたと思う。ただ、逆転できたことを過小評価するつもりはない。そもそも、逆転というのは、相手よりよほど力量が上回っていないと起こり得ない現象だ。0-2からの逆転なんて、相手よりよほど力があるのに、たまたま運が悪くて二点取られた、くらいのときにしか起きない。サッカーにおいて一点目は偶然の結果であることが多いが、それ以降は実力差が反映されることが多いからだ。実際、私もFMをやっていて、0-2から逆転したという実績を解禁したのは1000試合目のときだったということがあった。それくらい、0-2からの逆転というのは珍しい。

森保監督の采配に関しては疑問に思うことも多々あるが、少なくても基本的な方針については間違っていないのではないか、というか、むしろ大正解なのではないか、ということを今回考えるようになった。昔から言われていることだが、教育の本質というのは、教えることではないからだ。


2025年9月3日水曜日

ブライトンのマンガみたいな連携でゴール

 こんなプレイがありえるんだろうか。意味がわからない。


88分からのシーンね。三笘が上にあげた足で折り返したところをヤシン・アヤリがヘッドでつないたボールをリュテールが三笘に戻し、三笘がグルダにラストパス。一旦フェイントかけたシュートがあまりにウマすぎるのでそれまでの過程が頭から飛びそうだが、ここで一番すごいのは、三笘が上にあげた足で折り返したところをヤシン・アヤリがヘッドでつないたところ。これ、意味がわからない。

というのも、三笘の無理な体勢で足をあげて折り返したのも、アヤリのヘッドも、余裕がなくて無理やりにしたプレイではなくて、きちんとつなげる意識を持って行われているのが意味不明だ。普通、こんなプレイで正確にボール運べないだろ。しかもそれだけではなくて、三笘も折り返したあとに移動し直してボールを貰いに行っている。これ全部、ゴールへ向けての動きになってるんだよね。こんなプレイが現実に起きるというのが意味がわからない。しかもさらに意味がわからないのは、選手たちがこんなプレイでもゴールにつながると思って一切足を止めずにプレーし続けていることだ。アヤリのヘディングになったところで、ああこれは無理だと思ってみんな足を止めてもおかなしくない。というか、Jリーグだとそうだと思う。

香川がいたときのドルトムントでもアホみたいなカウンターでゴールしたことがあったけど、あれに似ている。これ、シティが二連敗したということで大騒ぎになっているけど、相手が悪いというのもあると思う。とくにこのゴールはどうやって防ぐんだよってレベル。こんなに完璧に連携が決まったらどうしようもないだろう。まるでマンガみたいな。FIFAあらためなんとかゲームみたいな。

プレミアはやはり異常なリーグだ。ほんとに信じられない。

2025年7月1日火曜日

アルヒラル強すぎ。ポタフォゴもすごい

 アルヒラルとシティの試合を見ていて、一瞬どっちがヨーロッパのチームなのかわからなかった。サウジのチームにはカンセロ、ミリンコビッチサビッチ、クリバリがいて、試合内容も拮抗していたので、本当にどっちがどっちだかわからなかった。パリとLAの試合にはメッシがいたけど、内容が一方的だったのでそんなに混乱しなかった。


メンツを見てもサウジの選手はほとんどいない。冷静になってほしい。アジアのクラブがヨーロッパのクラブに勝ったというのは簡単だが、中身はそうではない。

Jリーグや日本人選手が30年間でこれだけ成長したのは、ちょうどバブルがはじけて、以降は地道にやっていくしかなかったというあの状況がよかったと私は思う。もしお金があったら無駄に高い選手にお金を使うだけで、育成に地道に取り組むとかはできなかったと思う。サウジの今後がどうなるのか、生暖かく見守っていきたい。

パリに勝ったポタフォゴの試合もすごかった。

ボタフォゴは南米国籍の選手ばかりで、ヨーロッパ人はいない。それでこの強さ。ブラジル代表は次回のWカップに出られないかもしれないほど弱体化したとか言われているが、実はそれは毎度のことで、2002年の日韓大会予選でも同じように苦戦したけれど、蓋を開けてみれば優勝した。今回の勝利を見ても、サッカー王国の名は廃れてないと思う。

2025年6月30日月曜日

浦和RD2025年クラブワールドカップ敗退を受けて

 浦和は三敗でCWCを去ることになったが、収穫は大きかったと思う。まず、浦和の守備がぜんぜんダメということはなかったと思う。組織として変、みたいなところもなかった。大枠として正しいことをしているが、ディティールが及ばないという感じだった。正直、日本サッカーと世界の差が開いているとは思わない。ちゃんと縮まってきていると思う。

課題は選手自身が語っていることにあると思う。これは第三戦を受けての感想。

前半30分にロングシュートを決められた後「前から(守備に)いくのか、このまま耐えるのか、というとことで、少しギャップが生まれてしまったと思います。そこをコントロールしていたつもりでしたけど、最終ラインの前のスペースをうまく使われた。そこを試合中に修正できればよかった」と悔しがった。

 3試合で計9失点。この大会で感じた世界との差について、関根は「リーグの色が出たかな、とは思います。日本というリーグは、チームの構造を維持したまま戦って、全員で守って全員で攻める。ただそうじゃない、個が強い相手に対しては、日常のリーグの文化の差が出たと感じる。そこをどうやって埋めるのかは難しいなというのは正直なところですけど、この大会を経て、ひとりひとりが感じたものがある」と語り、今後の成長につなげることを誓っていた。

クラブW杯3連敗の浦和 キャプテン関根貴大が感じた世界との差「日常のリーグの文化の差が出た」

「日本というリーグは、チームの構造を維持したまま戦って、全員で守って全員で攻める。」ここだね。これ、小澤さんも指摘している。


でもこれ、浦和やJリーグだけの問題ではなくて、日本人選手に共通の問題だと思う。日本全体で、もっと頭を使って、柔軟に対応するという指導を進めていったほうがいいと思う。なぜかというと、サッカーとは数的優位を作り出せるほうが圧倒的に優勢になるゲームだから。

こういう話を聞くと、このブログのそもそもの趣旨がいかに正しかったか、ということが証明されたような気がする。手前味噌になるが、このブログは、数的優位を作り出すための相手に合わせたフォーメーションを研究するという趣旨で始めた。そのもくろみがいかにサッカーの本質をついていたか。

さて、浦和に話を戻すと、課題がここまでわかった、ということにこの大会の大きな意義がある。以前の日本サッカーの知識では、そもそもなぜ負けたのかわからない、なぜ負けたのかわからないから、当然分析もできない。ところがいまは、選手自身をはじめ、優秀なジャーナリストもいて、きちんと敗因を分析できている。これはすごいことだと思う。例えば、テストで30点だった場合、ほぼ何もわからなかったのだから、できたこともできなかったこともわからない。しかし70点や80点だった場合、できなかった部分というのがわかる。いまの日本サッカーはそういう段階にあると思う。

2025年6月15日日曜日

FCWC2025

 新しくなった四年に一回のFIFAクラブワールドカップが開催されている。なんとDAZNで全試合無料だ。

これ、前やっていたのとは別のフォーマットになっていて、なんと全世界から24クラブが出場して、まずは8グループに分かれてリーグ戦を行う。要するに、昔のWカップと同じ規模だ。しかし、賞金の規模はWカップより大きい。


すでにインテルマイアミ対エジプトのクラブ戦が終わっている。マイアミはメッシのいるクラブだね。ていうか、この大会、メッシが目玉になっているんだけど、もしメッシが出なかったらどうしてたんだろう。というのも、FIFAはこれにものすごいお金をかけているから。

浦和がインテルほか、モンテレイ、リーベルプレートと対戦するのも楽しみだ。この大会、今までだと毎回1試合か2試合しかできなかったので、日本のクラブがアジアで勝ってもあまり旨味がなかった。今回は最低でも3試合はある。

優勝候補はパリかレアルマドリーか、といったところだ。大穴でシティ。監督に注目すると、インザーギ弟が退任したインテルはギヴ、レアルマドリーはシャビアロンソ、バイヤンはコンパニがそれぞれ初披露となる。ちなみに、インザーギはアルヒラルの監督になっていて、これも出てくる。

というわけで、もう書くことがなくなってしまったんだけど、とにかくこれだけ大きな大会は珍しいので、楽しみだ。


2025年6月6日金曜日

かなり強くなった日本人選手たち 〰️日本サッカーのスタート地点〰️

W杯アジア最終予選日本対オーストラリアを見ていて、「なんと日本は強くなったんだ」と思った。もちろん、比較するのは2006年のあの試合である。


切り抜きなので、このときの日本の選手のプレイの質はそこまで詳しくわからないのだが、それでも、今と比べると雲泥の差があるのはわかる。

いまの日本はとにかくあたりが強くなっている。日本人はオージーにまず競り負けない。試合を通してほんとに日本人選手がちょっと当たりに行くと、オージーはいとも簡単にボールを失っていた。なんだか異様に見えたほどだ。正直、日本がここまで守備がよくなるとは、本当に昔は想像もできなかった。以前も書いたけれど、Jリーグでも守備のレベルが上っているので、これは日本人全体の守備のレベルが上がったということなのだろう。実際、海外の監督からも「日本は守備が強いので嫌がられているよ」ということを言われるらしい。

細かいことを言うと、当たりが強いことのほかに、ボールの落下予測なんかの精度もすごく上がっていた。上から落ちてくるとき、前から斜めに落ちてくるとき、そういうときの落下予測の精度がよくなっているので、ボールにちゃんとせりにいける。昔の日本人選手はそこんとこが本当に下手で見ているのがツラかった。あと、日本はファウルもいとわずに強引にボールを取りに行っていたので、そこもすごかった。2軍だったからこそ、ここまで守備の強度が高いということに改めて驚かされた。

まあでも、2006年と比べるともう19年も経っているのか。私がFM(当時は別の名前だったが)をプレイし始めてからももう19年だ。なんという年月。

負けたのはしょうがない。すごいのは、一点取られた後にもう一失点しなかったことだ。まぐれ当たりで取られてしまったという失点だった。そこんとこも2006年とは違う。「いや、コスタリカ戦でもポロッと失点してただろ」という意見には、はい、そうですね。と言うしかない。ぶっちゃっけ、FMやってればわかることだけど、ひたすら押しまくっている試合でポロッと負けることはよくある。

この機会に書いておくと、サッカーというのは、弱いほうが有利なスポーツだ。上手いほうが押し込んで押し込んで、弱いほうが守って守って、ワンチャンものにして勝ってしまう。そういうゲームなのである。FMやっていなくても、レアルマドリーの試合とか見ていると、毎試合嫌と言うほど試合を支配して圧倒しているのに、一点がなかなか取れない。そんな試合が多い。それでもマドリーが勝ってしまうのは、圧倒的に強いからである。リーグ1つ上っていうほど相手より強いから毎回それでも勝ててしまうのである。今季はバルサに全敗してたけども。

森保監督はどうやらそこんとこわかっていない人だと思う。今回も、HTに動かなかったのは「こっちが有利だからいいか」という思想だからだ。実際は、そういう試合ほど負けるのである。よく思い出してみてほしい。前回W杯で勝利したときはHTにビハインドだったときだけだ。HTに同点というときはなにもせずに必ず負けている。これは、サッカーというものの本質を理解していない人の采配だ。

FMをプレイしていると、クラブがまだ弱いときほどジャイアントキリングを起こして、意外と勝ちを拾える。逆に強くなると、意外と点が取れなくなくて、なんでもない相手にポロポロ負けてしまう。戦術的にも、弱いときは守ってロングボール走れみたいな戦術でいいのだが、強いときはビルドアップに中盤のつなぎに最後の崩しにとか、いろいろと戦術を練り込んでいかないとなかなか勝てない。強くなればなるほど、より高度な戦術と連携と細かい相手の弱点狙いが必要になる。弱いときにはそんなこと考えても仕方ないからワンチャンに掛けるだけ。

長い間、これは自分だけに起きる不思議な現象だと私は思っていた。しかし、実はそうではないことが最近わかってきた。強いチームほど勝つのが難しい、これはサッカーというスポーツに共通の現象だということが、強いチームを長年観察することでわかってきた。そして、そこがスタート地点だということもわかってきた。

2026年のW杯で日本代表はなんでもない試合でポロッと負けて敗退するだろう。それはサッカーという競技の必然であるが、無能な監督のせいでもある。そして、その無能さが国民に広く理解されたときこそ、日本サッカーの真のスタート地点となるだろう。次の段階に行くには、監督の育成こそ重要であるということが理解されてこそ、真のスタート地点に立てるのである。

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このブログは、 Football Manager という、サッカー馬鹿のための地味なシュミレーションゲームについてのブログです。あくまでも、現実のサッカーとは妄想レベルでしかつながっていませんので、ご注意ください。 Football Manager、略してFMは、サッカー経営...