2022年11月14日月曜日

2022J1参入プレーオフ京都熊本戦の感想 パス成功率のお話

J1参入プレーオフの京都対熊本戦を見てきた。かなり面白い試合だった。ビックマッチ、さらにサンガスタジアムになってから一番重要な試合ということで、観客は今までの最高の18,207人だった。このスタジアム、座席数は21,670席なので、ほぼ満員だったと言える。かなりすごい雰囲気だった。

参入プレーオフというのは普通、下のリーグのクラブ同士が争うものであって、上と下のクラブが入れ替え戦をする、というのはちょっとめずらしい。かつ、上のクラブが引き分けでも勝利というのはレギュレーションとしてほかに見たことがない。結果は引き分けだったのだが、それでもプレーオフ決定戦ということで、死闘というにふさわしいものだった。このレベルのテンションとインテンシティーで一年間戦うなら、毎試合見に行ってもいい。

FMで何度もプレーオフは戦ってきて、モニターを前にしても相当テンション上がるものなのだが、そんなプレーオフの実際の試合を生で見て、ちょっと感慨深かった。FMプレイヤーならこの気持ち、わかると思う。将来イングランド旅行して、6部のプレーオフの試合とか生で見てみたい。

ちなみに、Jリーグの試合はここ数年ものすごくレベルが上がってきている。昔は失点シーンとか見ると、明らかに守備がおかしくて、Jリーグの番組なんか何度も巻き戻して「なんじゃこりゃ」とツッコミをいれながらでないと見れなかったのだが、最近はそれがない。皆無と言っていい。この試合も、J2とJ1下位の試合だが、守備がどちらもよかった。GKからの配給が無駄にロングボールだったりとか、なんでそこにパス?というような細かいミスはあったが、守備で明らかにおかしいということはなかった。これはやはり、選手が子供の頃から、守備に関してきちんと指導を受けているのだと思う。たぶん、守備についての教則本が日本語で手に入ることになったのが大きい。Jリーグは数年単位でレベルが上がっていると思う。審判のおかしなジャッジもあまりなかった。

まあ、それはいいとして、ちょっとおもしろいデータがあるので見てほしい。

https://soccer.yahoo.co.jp/jleague/category/j1po/game/2022111308/summary?gk=224

たぶんこれ見た人がすぐに気づくのは、枠内シュートすくなっていう点だと思う。試合見てても実際そうで、どちらのチームもシュートを枠に飛ばすのに苦労していた。しかし注目してほしいのはパス成功率のところ。京都73パーに熊本61パーというやつ。これが低い。いやびっくりした。思うのは、成功率61パーの相手に引き分けかよ、ということだ。まあ、引き分けで勝ちなのだから、この試合に関しては無理に攻めにいかなかったのかもしれないが、普通、パス成功率に10パー違いがあったら、まあ負けることはないと思う。

これは、FMではなくて、FIFAをやっていて気がついたことなのだが、CPUの強さをFIFAは細かく調整が可能で、とくにパス成功率を数パーセント変えるだけで相手の硬さがまったく違ってくることに気がついたことがある。まあそれは当たり前の話で、相手のパス成功率がたとえば100パーならこちらも100パーでない限りは絶対に勝てない。こちらのボールにならないのだから、ボールが回ってこないのだから、チャンスも生み出せない。逆にこちらのポス成功率が低ければ低いほど、相手にボールが渡り、相手のチャンスが多くなる。たとえ成功率が数パーセントの違いでも、大きな違いを生むのがパス成功率だ。

サッカーの試合というのは微妙なものなので、どんなにデータを詳しくとっても、試合を決定づける重要な指標というのは少ない。もちろんゴール数の差は試合を決定づける数字そのものだが、それ以外の指標でなにが試合を決定づけたかというのを言うのは難しい。しかし、パス成功率が高いチームほど強いというのは、統計学的にも正しいと言えることなのではないだろうか。たとえばこのデータを見てほしい。

http://llabtooflatot.blog.fc2.com/blog-entry-5371.html

ちょっと古いデータだが、パス成功率が順位と強い相関関係にあることがわかると思う。これだとちょっとわかりにくいが、年ごとにパス成功率順にクラブを並び替えた表を作れば、もっと明白に相関関係がわかると思う。

で、これを見ると、J1上位は80パーあるのに対して、下位は70パーを割ることもあることがわかる。プレーオフでの京都のパス成功率70パーというのは、この表を見る限りはそうひどいものではない、ということだ。逆に熊本の60パーというのは、プレーオフ決定戦でプレーシャーやゲーム速度がいつもより違ったとは言え、やはり異様に低いと言わざるをえない。

実際、京都もそうなのだが、とくに熊本の選手は、プレスを受けると焦ってパスをしてミスになるということが多かった。雨なのでいつもより難しかったのもあるだろうが、パス成功率60パーでサッカーの試合に勝てるということがあるのだろうか? もちろん熊本もプロの選手なので、しかもほぼ日本人の選手なので、ショートパスはうまいはずだが、ミスが多かった。熊本の特徴の、パスを受けたらトラップせずにワンタッチで流すというスタイルが雨と相性悪いのかもしれないが、それでも、強いプレッシャーを受けたときにミスが異様に多くなるという傾向があるのではないか、と感じた。

少なくとも、雨のときにはきちんとトラップしてパスをするスタイルに変えたほうがいいのかもしれない。しかしそもそも、普段から素早いプレスを受けたときの練習をしているのかな、という気がする。相手が強くなって、強度が高くなると、当然プレスの速さもあがり、ボールの逃げ場もなくなる。そのときにどうかわしていくか、というのが昨今のサッカーの大きな課題になっているのではないだろうか。まあ、こんなのは当たり前のことかもしれないが、特にこの試合の衝撃的なスタッツを見て改めて思った。パス成功率は大事だ。たぶん一番大事だ。

ちなみに、いまDAZNではJ2からJ1を狙うクラブ、岡山のドキュメンタリーが見られる。

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