ちょっと前のことだが、19-20シーズンのCL決勝はすごい試合だった。PSGとバイエルンの試合は、W杯でも見たことのない異常なインテンシティとテンションとスピードに包まれた試合だった。19世紀以来、無数の近代サッカーの試合が行われてきたが、その中でも一番の試合だったかもしれない。
さて、その1つ前の試合で、バイエルンはバルセロナを大量得点で粉砕した。あれはバルサの時代の終わりを象徴する試合でもあり、バイエルンの異常な強さを見せつけた試合でもあった。これも決勝と同じく、時代を画する試合だったと言える。
さて、そんな無敵のバイエルンの強さについて、いろんな記事があったが、一番納得したのはこれだ。
現代サッカーの一大派閥「ラングニック流」。その戦術を徹底分析する
ライプティヒのSDであるラングニック、その名は海外サッカーに関心のある人なら一度は耳にした、でもいまいちどんな人なのかよくわからない、という人だが、その人が編み出しドイツに広まった戦術がバイエルンの戦術であった、ということ。
その戦術は要するに、見ての通りハイプレスかつ縦に早い動きでミスしても前に進むというだけ。運動量とスピードで殴るのが基本の戦術というものだ。この分析は確かに、実際に試合を見て感じた感触に完璧に合致する。というか、言われてみればそう云うしかないという戦術だった。
これにすごく納得できたのが、FIFAをプレイするときは、後ろでちんたらボール回さずにさっと前に出して、もしミスパスになっても強烈なプレスでボールを奪って前に行くという試合運びを自分が好むからだ。これは相当強引なやり方だと自分でも思っていたが、それでも勝てるし、失点も少ない。言われてみればこれはアンチバルサ・アンチフットボールかもしれないが、とくに技術も必要ないし、運動量、つまりスタミナさえあれば勝てる。自分は11人全員操作ではなく、一人だけ操作でプレイしているのだが、たった一人だけでも強烈なプレスと無理やり前に進むプレイで試合を作れてしまうのだから、全員でこれをやればそらあ無茶苦茶強い。つまり、それがバイエルンというわけだ。
考えてみてほしい。ボールを前に運ぶのに2種類の方法があるわけだ。正確なパスで前に運ぶのと、パスミスしてもプレスで奪って強引に前に運ぶ方法と。いや、以前はイギリス式のロングキックってのが一番の選択肢としてあったが、これが時代遅れになったおかげで、バルサ式しか正解はないと長い間多くの人が思いこんでいたのだった。しかし、無理やりプレスで前に進むのってのもこれまた現代的なやり方である。パスでもプレスでもどちらでも得られる結果は同じ。とすると、この違いがサッカースタイルの一番大きな違いであって、あとは、どこから攻めるか、どんなふうにボールを奪うか、だけがバリエーションとしてある。
つまり大雑把に言うと、サッカーには10-11シーズンのバルセロナと、19-20シーズンのバイエルン、この2つの最適解しかない。こう簡略化してサッカー全体を見てみると、すごくわかりやすくなる。たとえばファーガソンのときのユナイテッド、それも負けているときか分けのときの後半の試合運びは、確かに今のバイエルンっぽかった。とにかくプレスして前に前に全体で進んでいっていた。あれは細かい戦術よりも、気合で勝っていたのだと今まで思っていたが、実は理にかなった戦術だったのだ。
もちろん、ファギーユナイテッドと今のバイエルンが同じなどと言うつもりはない。今のバイエルンは守備がとてもうまい。これは以下の記事に詳しい。
バイエルンの攻撃に関してはこちらが詳しい。
さて、とすると、FMではバルサのチキタカの再現が難しいことがずっと欠点だと思っていたが、案外そんなことは些細なことなのかもしれない。それよりも、FMでのドイツ系の監督がそれほどラングニックっぽくない戦術で戦うのが今後はもっと気になるかもしれない。ただ、最近のFMでは自分でそれっぽい戦術は作れるようになっているはずなので、ドイツ系アスリートガチムチ戦術と、オランダスペイン系チキタカ戦術とをそれぞれ自分で再現してみるのも面白いかもしれない。当然前者はフィジカル重視のメンバー編成になるし、後者はテクニック重視のメンバー編成になる。そういう違いを意識してプレイしてみるのも楽しい気がする。
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