2026年6月30日火曜日

ブラジル戦での2失点の分析とそのほかの日本の敗因

2つの失点シーンに日本の弱点がギュッと凝縮されていた。 Pivotoでもそこんとこ解説されったいたのでみんな見てほしい。

まずは一点目

後半、アンチェロッティは日本の強い点を避け、弱点をつく作戦を立ててきた。それがファーへのクロスである。

右側から、左利きの選手が右にかかるカーブのクロスをファーにあげる。

左側から、右利きの選手が左にかかるカーブのクロスをファーにあげる。

画像ではカーブかかりすぎだが、まあイメージということで。で、このクロスだとGKが飛びだしに行きづらいらしいのね。つまり、これでザイオンを無効化できる。さらに日本の選手はヘディングへの寄せが甘い。これは2018のベルギー戦でもそうだったよね。案の定、左の伊藤の寄せが甘くてカゼミロに決められた。

2006年のときにはドリブルで剥がされまくっていたので、そういうので来るのかと思っていたら、さすがにそんな昔のは参考にしていなくて、たぶん2018のあれを見ていたんだよなアンチェロッティ。大一番で試合中にこういう的確な采配をしてくる。さすがだとしか言いようがない。

2失点目はこれは簡単。碧が奪い返したあとに持ちすぎて奪われ返されてからの失点だった。これもブラジルは狙っていた。

これもPivotで言われているんだけど、日本はビルドアップに苦しんでいた。いや、普通のビルドアップ自体はそこまで問題はなかったか。より精確にいうと、相手から回収したあとのパス回しに苦労していた。これも試合見ていれば明確だった。ブラジルは日本からボール奪ったあと、うまいこと前にパスをつなげていたのに対し、日本は前にパスを繋げなかった。これ、スウェーデン戦でもそういう場面があったよね。長友がプレスされたときに前に繋げていなかった。なので、ここんとこは今回の日本の弱点として意識されていたんだと思う。日本はたぶん、回収したあとのパス回しという概念自体を持っていなかった可能性がある。いや、それは馬鹿にしすぎか。とにかく、そこんとこまずいから直そうという意識がなかった。そういうのブラジルは見逃さないんだな、という感じ。これが本当の強豪国か。

日本の選手は相手からボールを奪った瞬間に気が緩んで、ボールをもらいに位置を修正しない。これ、一種のパンチドランカー症候群だと思う。あまりに相手の攻めがきつくて、それを避けた瞬間に気が緩む。これ、気持ちの問題でもあるんだが、相手との差があると感じてるからこそ、そういう圧に負けるんだと思う。ブラジルはそういう圧をぜんぜん感じていなくて、日本からボールを奪ったときに、まあ普通でしょという感じだった。これ、ギリギリまで追い込まれて一瞬避けることができたか、それともそこまで追い込まれてなくて、奪ったあとのことを考えながら動くことができているかの差。これ、小さいようで、大きい。人間である限り結局は実力差が精神に影響を与えるんだから。

たぶんW杯一戦目でブラジルと当たっていたら、日本はもっとできたと思う。しかし、四戦目で、しかも三戦目ターンオーバーできず、負傷者も多く疲弊した状態でブラジルと戦うことにそもそも無理があった。これ、いつも同じ問題でトーナメント初戦で負けているんだけど、今回も同じだった。

で、ここからが失点シーン以外の敗因だけど、これも全部Pivotで言われていて、その通りだと思う。

まず、さっきも言ったけど、日本の控えの層が薄かったこと。前半からIJを出して、で、後半誰が出るの問題。これ、久保がいたらまだましだったはず。結局、これがベストだからベスメンで行くぞーっていうのは威勢がいいが、後半の換えがない。後半、日本の攻めはまったく機能しなかった。これ、後半の選手交代が守備的なメンバーばっかりだったことが原因なんだけど、そのことのそもそもの原因は何かというと、前半にベスメンを使ってしまったから。これなら、前半守備的なメンツを出したほうが良かったかもしれない。町野が機能しなかったのは見ていて辛かったが、そもそもあそこで町野を出すしかなかったこと自体がもう負け。前回、PKで南野使った時点で負けだったのと一緒。

スタメンや切り札は普段使っているメンツで固めるのはいいが、いざというときのサブは若手ではなくて、ベテランを揃えるのが監督の基本。これ、FMやってる人ならみんな知ってると思う。今回、南野、三笘、久保などが使えなかったのは厳しかったが、それならそれで、昔から信頼しているベテランを代わりに呼ぶべきだった。極論をいうと、たぶん町野より浅野のがマシだった。

逆に、ブラジルはさすがの落ち着きだった。ボール奪い返したときの対応もうまかったが、プレスされたときの対応や、ボールを奪われたときの対応もよかった。前からのプレスも連動したかは不明だがでも元気だった。とにかく、落ち着きがあった。反対に日本は個々の選手の気合いみたいなのに差があった。冨安とザイオンだけはさすがワールドクラスだと思ったが、ほかはミスというか、判断の質が悪かったという感じ。

日本とブラジルの差は結局は技術の差なんだけど、その差がメンタルに作用して、日本の選手の判断を悪くしていた。というか、多分メンタル能力自体にもそもそも差がある。

CAでいうと、今回、日本はみんな120か130くらいで、ブラジルは150くらい。これくらいの差ならひっくり返せることもないんだけど、今回は疲れと、控えの差が勝敗を分けた。

2006年のときはブラジルがCA160くらいあって、日本は100くらいだったから、それと比べると差は縮まって来ている。しかし、グループリーグでもっと楽に勝てるようにならないと、トーナメント一回で負ける現象はたぶんこれからも続く。

感想

今まで、日本の選手は世界で過小評価されていると思ってきたいけど、今回そうでもないかな、と思い始めている。というのも、オランダ戦の解説で、ホンダさんがガクポとクンデをたぶん初見で、こいつらうますぎと見抜いていたから、見る人が見れば選手の能力なんて一発でわかる。しかも日本の選手はすでに海外でリーグ戦を毎年戦っているのだから、なにが良い悪い全部見られているはず。その上であの評価なのだから、まあ妥当なんだろう。ただし、FMでの評価はまた別だ。これは偏見しか入ってないからね。

日本の選手はビッククラブでプレイするにはたぶん経験値が足りてないのだと思う。もちろん、技術・身体的にずば抜けたものを持っている選手自体もそう多くないが、それでも、長く欧州で活躍している選手は多くいる。しかし、いざというときの判断の質みたいなのがイマイチというのが今回のW杯で見えてきた。これ、実際に強い相手と当たったから見えてきたことで、その意味ではブラジルに感謝しかない。この試合はたぶん日本人以外には面白くない試合だっただろうが、日本の選手にとっては収穫の多いものだったと思う。課題がものすごいピンポイントで指摘されたようなもんだからね。まるで将棋の試合みたいだった。

ところで、試合後クーニャが泣きじゃくる碧をなぐさめていたのよかったね。


追記

Pivotでは上にあげた敗因のほかにも、日本の守備オプションの少なさについても言及されていて、これも見ていて感じたことなので、なるほどと思った。

一点目は今回はハイプレスを使わなかったこと。オランダ戦でリトリートのブロック戦術がある程度機能したので、これに味をしめてリスクあるハイプレスをしなくなった。小さな成功体験にとらわれてしまったというやつだな。これ、明らかに敗因の一つだけど、ハイプレスでボール奪ったあとにボールつなぐ形が見えないのも問題としてあったと思う。なので、やはり日本の最大の弱点はそこだ。サッカーには四つの局面があるとよく言われるが、ポジティブトランジションのところ、意識して練習できていなかった。

ニ点目は6バックなどのより守備的な形を敷けなかったこと。これ今までやったことなかったし、そこまで強い相手にも当たることがなかったので仕方ないと言えるが、例えば今のままでフランスと当たって戦えていたか、ということを少しでも考えたほうが良い。基本の4バック+2ウィングバックという形を試してみるべきだと思う。ただし、それを試す相手と対戦する機会が少ないという問題はどうしようもないのだが。

最後に、これは私の意見で守備の問題でもないが、ザイオンのウルトラスーパーロングフィードからの裏抜けという形をもっと使っても良かったと思う。練習できていたのかどうかわからないけど、最後一回くらい使っていた。これ、苦し紛れの策じゃなくて、メジャーな戦術として鍛え上げるべきだと思う。てか、自分らより強い相手と戦って勝つのはこれしかないでしょ。

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