2022年3月24日木曜日

日本サッカーのある意味では確かな成長を感じた試合 W杯最終予選対オージー戦

 2022年サッカーワールドカップアジア最終予選のオージーアウェイ戦において日本は後半85分から2点を入れて2-0で勝利した。最初の1点目は現川崎と元川崎の三人の選手の息が見事にあった連携で崩しての得点で、2点目は三苫のセンセーショナルなゴールだった。どちらも素晴らしいゴールだった。

が、このゴールが入るまでの試合展開がとても素晴らしいものだったと思う。というのも、この試合、前半は攻めに急いでカウンターを食らったりとオープンな展開でひやひやしたのだが、後半は入りから落ち着いていてボールを急がずに保持して回して、最後の10分でとどめを刺すという、試合展開を読み切った戦い方だったからだ。

これまで、日本代表は大一番になればなるほど、試合展開を読めない無茶苦茶な攻め方をして、先制はしても最後は逆転されて負けるという試合が多かった。ドーハの悲劇のとき、2006年W杯の悪夢のオーストラリア戦、いつだったかのコンフェデのイタリア戦、そして2018年のW杯のベルギー戦、どれもいつ攻めるか、いつボールを保持するかの判断と意思統一ができなくて負けた試合だったと思う。

それが今回の試合では、前半こそいつもの悪いくセが出てバランスの取れていない変な試合をしていたが(この試合日本は引き分けでもOKだったのに)、後半は見事に修正してきて、最後に三苫で倒すという戦い方ができた。

じつは、オージーが後半バテるというのは事前情報として出ていた。

論客らいかーると×みぎの豪州徹底分析 「ガクッと落ちる75分以降はチャンス」

これね。

今回、たまたまこういう情報があったから「ハーフタイムで後半最後に仕留めよう」という指示が出せたのかもしれないが、それでもこれは大いなる第一歩だと思う。

細かいことを言うと、前半でGK権田のコーナーキックの判断ミスで相手ゴールになったように一瞬思えたところ(これはなぜか取り消されたが……なぜだろう)で、コーナーキックの練習をキーパーがしていなさそうな感じがあるところとか、よく言われる監督云々ではなくて選手個人の部分でたぶん絶対W杯では通用しないような気がしたのは悪い予感だが、それでも、日本代表が「試合展開を読む」という能力を手に入れたのかもしれないのはいいことだと思う。技術よりも得点力よりも何よりも、それが一番日本代表にかけていると思っていたことだったから。

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